トリシティ155で後悔?ツーリングがつらい理由と高速道路の注意点

「3輪だから絶対に転ばないし、長距離も楽に走れるはず。」

そんな期待を胸にトリシティ155を検討している、あるいはすでに手に入れてから「こんなはずじゃなかった」と戸惑っている方もいるのではないでしょうか。

圧倒的な安心感の裏に潜む、物理的な重さや独特の操作感は、カタログスペックを眺めているだけでは決して見えてきません。

  • 150ccなのに250cc並みに重いって本当?
  • ツーリングで疲れてしまう意外な理由とは?
  • 立ちごけのリスクと維持費のリアルな負担は?
  • 売る時に損しないコツはあるの?

フロント2輪がもたらす唯一無二の走りと、日常使いのふとした瞬間に牙をむくシビアな現実。

長年様々なバイクを乗り継ぎ、現場で数多くのトラブルを見てきた熟練ライダーの視点から、あなたが後悔しないための判断材料をすべてお伝えします。

目次

トリシティ155で後悔?購入前に知るべき最大の弱点

トリシティ155を所有して最初に直面する壁は、その圧倒的な「重さ」と、年式によって明確に異なる乗り味のクセです。

ここでは、購入直後に「こんなはずじゃなかった」と頭を抱えやすいポイントを、具体的な車種との比較や数値とともに紐解いていきます。

150ccなのに250cc並み?車重172kgが招く誤算

結論から言うと、トリシティ155最大の弱点は、150ccクラスとしては規格外の「車体の重さ」に尽きます。

ライバルとなるホンダのPCX160が車重132kgであるのに対し、トリシティ155はなんと172kg。

これは、一回り以上大きな250ccクラスのビッグスクーター(例えばヤマハのフォルツァは186kg)に匹敵する重量感です。

車種名排気量車両重量最高出力
ヤマハ トリシティ155155cc172kg15PS
ホンダ PCX160156cc132kg15.8PS
ヤマハ フォルツァ(参考)249cc186kg23PS

この重さの元凶は、フロントに2つのタイヤと、片側2本・計4本のテレスコピックサスペンションを備える複雑なLMW機構にあります。

走り出してしまえば矢のような安定感に変わりますが、エンジンを切った状態での押し引きや、狭い駐輪場での切り返しでは、フロントの鉛のような重さが腕にズッシリとのしかかります。

毎日の通勤や買い物で使う場合、この250cc並みの質量を日常的にコントロールする体力が、後悔しないための最初の関門になります。

実は年式で違う?新型と旧型で変わる不満と乗り心地

トリシティ155は、購入する年式によって抱えやすい不満のベクトルが大きく異なります。

特に2023年のマイナーチェンジを境に、フレームの新設計やアッカーマンジオメトリの熟成が行われ、車体のセッティングが別物レベルで見直されているからです。

中古車を選ぶ際は、この乗り味の違いを理解しておくことが非常に重要になります。

2022年以前の旧型モデルでは、高速走行時にフロント周りが細かく揺れやすく、ミラーがブレて後方視界が悪化するという不満が定番でした。

一方、2023年以降の新型モデルはホイールベースが延長され直進安定性が飛躍的に向上した反面、極低速域でハンドルを切った際、ズシッと内側にステアリングが倒れ込むような独特の重さが新たな懸念として指摘されています。

どちらの年式を選ぶにしても、一般的な1つタイヤのスクーターとは違う「フロント2輪ならではのクセ」を乗りこなす覚悟が必要です。

3輪は楽じゃない?Uターンや信号待ちで感じる重圧

3輪だから絶対に転ばないし、足を着かなくても平気なんですよね?
いえ、トリシティは一部の海外製3輪スクーターのように自立するロック機構がないので、極低速域や停車時にはライダー自身が172kgの車体を支えなければならないんですよ。

特にUターン時や信号待ちでは、シート高765mmという数値以上に幅広なシート形状も相まって、足つきの悪さと重圧をダイレクトに感じることになります。

例えば、信号待ちで足を着く路面に僅かなわだちや、水はけ用の傾斜があったとします。

停車した瞬間に172kgの質量が一気に片足へとのしかかり、足を出すタイミングがコンマ数秒遅れただけで、支えきれずにヒヤッとする場面が少なくありません。

3輪特有の安心感に油断していると、思いがけない重さに足元をすくわれることになります。

スマホも入らない?収納の狭さが生む意外なストレス

日常使いにおいてジワジワとストレスになるのが、フロント周りの収納スペースの狭さです。

特に旧型モデルの右側グローブボックスは、内部に12VのDCジャックが内蔵されているものの、奥行きが絶望的に浅く、iPhone Pro Maxなどの大型スマートフォンはまともに入りません。

無理に押し込んで蓋を閉めようとすれば、画面を傷つけるリスクすらあります。

また、シート下トランクの容量は約23.5L確保されていますが、底面の形状が複雑なため、SHOEIのX-FifteenやAraiのRX-7Xといったスポイラー付きのフルフェイスヘルメットは、サイズによってはシートが閉まらなくなります。

結果として、ハンドル周りに別途スマホホルダーを取り付けたり、ヘルメットを持ち歩いたりする工夫を強いられることになります。

収納力の不足が、購入後の毎日のちょっとしたフラストレーションに繋がることは覚悟しておきましょう。

トリシティのツーリングがつらいと言われる欠点と真実

圧倒的な直進安定性を誇るトリシティですが、長距離ツーリングになると「意外と疲れる」「つらい」という声が散見されます。

ここでは、高速道路での振動や休憩時の取り回しなど、ツーリングでライダーの体力を削り取る本当の理由を解説します。

高速走行で手がしびれる?ハンドルに伝わる微振動の謎

トリシティ155で高速道路を巡航していると、特有の微振動による手のしびれや疲労を感じやすくなります。

これは、フロントにタイヤ2本とサスペンション4本を抱えるLMW機構の「バネ下重量の重さ」が原因で、高速域で路面の細かな継ぎ目や凹凸を拾い、その振動がハンドルを通じてダイレクトに伝わってくるためです。

さらに、155ccのエンジンで172kgの巨体を時速100kmまで引っ張り上げるため、常に高回転域をキープしてエンジンが唸り続けることも振動を増幅させます。

特に旧型モデルにおいては、1時間も高速を走ると手がジーンと痺れ、サービスエリアでの休憩が必須になるという具体的な報告が多数あります。

172kgという質量の塊を加減速させながら、この微振動に耐え続けることは、思いのほかライダーの握力と集中力を奪っていきます。

ツーリング後半になると、この振動と重さがボディブローのように効いてくるのです。

休憩が苦痛に?駐車場の出し入れで削られる体力の正体

ツーリングにおける疲労の大きな原因は、走行中の風圧や振動だけではありません。

実は、道の駅や景勝地で休憩する際の「駐車場の出し入れ」や「写真撮影のためのUターン」で、体力がごっそりと削られているのです。

ここでも、フロントヘビーな車体構成が容赦なく牙をむきます。

例えば、砂利が敷き詰められた未舗装の駐車場や、僅かに前下がりになっているスペースにバイクを停めるシーンを想像してみてください。

PCXのような軽量スクーターなら跨ったまま足の力で簡単にバックできますが、トリシティの場合は足の力だけでは後退させることが困難で、一度降りて全身の力を使って引きずり出すハメになります。

結果として「気軽に停めて寄り道をする」というバイク本来のフットワークの軽さが損なわれ、休憩のたびに億劫な気持ちになってしまうのです。

実は横風に最強?LMW機構がもたらす走りのメリット

ここまで重さによるデメリットをお伝えしてきましたが、フロント2輪のLMW機構は、走行中においては絶大なメリットをもたらします。

最大の強みは、突発的な横風や悪路に対する「圧倒的な直進安定性と安心感」です。

この安心感こそが、すべての重さのデメリットを覆すほどの強烈な魅力と言っても過言ではありません。

例えば、東京湾アクアラインや瀬戸大橋などの沿岸部で暴風レベルの横風を受けた際、一般的な軽量スクーターなら車線一つ分流されてしまうような恐怖の状況でも、トリシティは車体がふらつきにくく路面に張り付くように安定します。

独立して動く2つのフロントサスペンションが路面のうねりを個別に吸収するため、ライダーが必死にハンドルを押さえつけて軌道修正を行う労力を大幅に軽減してくれます。

「転ぶ気がしない」という絶大な安心感は、長距離走行における精神的な疲労を劇的に和らげてくれる強力な武器になります。

事故率にも影響?LMWが精神的な疲れを減らす理由

トリシティのLMW機構は、ライダーの精神的な負担を減らし、結果として外的要因による転倒リスクを極限まで低下させます。
NASAが開発した精神的負担の測定手法「NASA-TLX指標」を用いたテストでも、同車格の2輪車と比較して、LMWは運転時の精神的負担感が明確に小さいことが実証されています。
フロントタイヤが2つあることで、単純に接地面積が2倍になり、フロントからスリップダウンする恐怖が劇的に減少するからです。

雨上がりのマンホール、工事現場の濡れた鉄板、路肩の浮き砂など、通常の2輪車なら「フロントが滑って一発で転倒する」という冷や汗をかく場面でも、トリシティなら片方のタイヤが確実に路面を捉え続けます。
スリップによる単独事故のリスクが構造上抑えられているため、常に肩の力を抜いたリラックスした状態でライディングを楽しむことができます。
安全はお金で買えるとよく言われますが、この転倒リスクの低さこそが、トリシティを選ぶ最大の意義です。

立ちごけの恐怖と維持費から探るヤマハトリシティの評価

3輪だから絶対に倒れない、維持費も普通のスクーターと同じだろう。そんな思い込みは非常に危険です。

ここでは、自立しない構造が招く立ちごけのリアルな恐怖や、フロント2輪ならではの跳ね上がる維持費、そして気になる資産価値について解説します。

トリシティは自立しない?油断が招く立ちごけのリスク

繰り返しになりますが、トリシティは3輪バイクであっても、センタースタンドやサイドスタンドを立てない限り自立することはできません。

ピアジオの「MP3」やプジョーの「メトロポリス」といった海外製の大型3輪バイクには、停車時にサスペンションの傾きを固定する「チルトロック機構」がありますが、トリシティにはこの便利な機能が存在しないのです。そのため、停車時は常にライダー自身の足で172kgを支え続ける必要があります。

「3輪だから倒れないだろう」という無意識の油断が、実は一番の罠です。

重心が一定の角度を超えると、フロントの重たいLMW機構が災いして一気に車体が傾き、一般的な2輪車以上のスピードで「立ちごけ」へと繋がります。

万が一立ちごけをしてしまうと、複雑な形状のフロントカウルやサイドカウルに甚大なダメージが入り、修理代で数万円が簡単に吹き飛ぶことになります。

タイヤ3本は伊達じゃない?維持費が高くなるリアル

トリシティ155を所有する上で確実に覚悟しておかなければならないのが、一般的な2輪スクーターよりも維持費が跳ね上がるという現実です。

フロントタイヤが2本あるということは、単純計算でフロントのタイヤ交換費用(14インチタイヤ×2本分)が通常の倍かかります。

さらに、ブレーキパッドやブレーキディスクローターといった足回りの消耗品も、フロント左右で2セット必要になります。

また、パーツ代だけでなく「工賃」の高さにも注意が必要です。

例えばフロントフォークのオイル漏れ修理(オーバーホール)をショップに依頼した場合、通常のバイクなら2本のフォークを作業するところ、トリシティは片側2本・計4本のフォークを分解・整備しなければなりません。

作業工程の複雑さから工賃が割高に設定され、フォークのメンテだけで2〜3万円飛んでいくケースも珍しくありません。

コスパ(お財布への優しさ)を最優先に考えるのであれば、このランニングコストの増加は購入前にしっかり計算しておくべきポイントです。

売る時に損をする?オークション相場から見た資産価値

将来的に車両を手放す際、売る時に損しないコツを知っておくことは大切です。

直近3ヶ月間の業者間オークションのデータを見ると、トリシティ155の平均落札価格は約23万6千円ですが、価格幅は5万4千円から38万3千円と非常に大きなバラつきがあります。

この極端な価格差には、トリシティ特有のシビアな裏事情が隠されています。

下限に近い5万円台の個体は、過走行であることに加え、フロントのパラレログラムリンクにガタツキがあったり、4本あるフロントフォークのどこかからオイル漏れを起こしている可能性が極めて高いです。

フロント周りの修理は部品代も工賃も高額になるため、ダメージのある個体は業者からも敬遠され、買取額が容赦なく暴落します。

買取業者は「店舗での展示スペースの圧迫」や「特殊なLMW機構の整備リスク」を査定額から差し引く傾向にあるため、日頃からのこまめなメンテナンスが資産価値を守る唯一の防衛策になります。

2026年で生産終了?中古相場に起きる歴史的な変化

2026年をもって日本国内向けの生産が終了するという歴史的転換点です。

2025年9月に発売される2026年モデルを最後に、国内市場から姿を消すことがメーカーから正式に発表されています。

圧倒的な安全性を持つ一方で、重量増や製造コストの高さ、特殊な整備性が一般的な需要を取り込みきれなかった結果と言えます。

生産終了のアナウンスにより、一部の熱狂的なファンによる駆け込み需要で、一時的に中古相場が高値止まりする可能性はあります。

しかし、基本的には日常の足として使われる実用コミューターであるため、趣味性の高い旧車スポーツバイクのように、将来的にプレミア価格へと暴騰する性質のものではありません。

これから購入する方は、相場の変動に一喜一憂するのではなく、自身のライフスタイルに長く寄り添えるかどうかの実用性を重視して選ぶことを強くおすすめします。

125と155はどっちがいい?後悔しないトリシティ選び

トリシティシリーズには125ccと155ccの2つの排気量があり、どちらを選ぶべきか悩む方は非常に多いです。

ここでは、法的なルールの違いや経済性、そして弱点を補うためのカスタム術から、あなたに最適なモデルを見極める方法を解説します。

155は高速道路を走れますか?ツーリング派が選ぶ理由

「トリシティ155は高速道路を走れますか?」という疑問に対しては、ズバリ「全く問題なく走れます」が答えです。

排気量が155ccであるため、道路運送車両法において「軽二輪」に分類され、法的に高速道路や自動車専用道路(原付二種通行禁止のバイパスなど)を走行することが認められています。

ヤマハの公式でも、下道に縛られずに走りのフィールドを広げるモデルとして位置づけられています。

実際の高速道路での走行性能ですが、時速80〜90km程度の巡航であれば、車の流れに乗って極めて安定した走行が可能です。

ツーリング先のルートに少しでも西湘バイパスや保土ヶ谷バイパスのような有料道路・専用道路が含まれる可能性があるなら、迷わず155ccを選択するべきです。

125ccを選んでしまうと、目の前にある便利なバイパスに乗れず、延々と渋滞する下道を迂回させられるという致命的な不便を強いられることになります。

燃費や保険で選ぶなら?125ccが経済的に有利な理由

一方で、通勤や日常の買い物がメインで、絶対に高速道路やバイパスに乗らないという方には、125ccモデルが経済的に圧倒的有利です。

125ccと155ccは車体のサイズが全く同じで、重量も125ccが約164kgと、取り回しの難易度に大きな差はありません。

最大の違いは、125cc(原付二種)であれば、同居家族の自動車保険の「ファミリーバイク特約」を利用でき、任意保険の維持費を劇的に安く抑えられる点にあります。

ただし、注意点もあります。

164kgという重い車体を125ccの小さなエンジンで引っ張るため、パワーウェイトレシオの観点からは非常に厳しく、信号待ちからの発進などで「アクセルを全開にしても前に進まない」というパワー不足を強烈に感じます。

維持費の安さをとるか、交通の流れに乗るゆとりをとるか、ご自身の用途としっかり照らし合わせてお財布への優しさを計算してみてください。

弱点を克服!トリシティ155を快適にするカスタム術

トリシティ155を購入した後、特有の弱点を補い、より快適に乗るためのカスタム術をご紹介します。

トリシティのカスタムは、マフラーを交換して排気音を大きくするといった方向性よりも、積載性を増やし、風よけを強化する「ツアラーとしての利便性向上」に特化するのが王道です。

純正状態での収納力の無さをカバーすることが、満足度を高める直結ルートになります。

必須級のおすすめカスタム

具体的には、堅牢なリアキャリアとGIVIなどの大容量トップケース(43Lクラス)の装着は、実用上ほぼ必須のカスタムと言えます。

これがあれば、ヘルメットや雨具、ツーリング先のお土産まで余裕で収納でき、フロントボックスの狭さというストレスから完全に解放されます。

さらに、ワイズギア製のハイスクリーンやグリップヒーター、冬場の冷えを防ぐレッグシールドを追加すれば、天候に左右されない最強の全天候型コミューターが完成します。

まとめ:トリシティ155で後悔しないための最終確認

いかがでしたでしょうか。トリシティ155は「絶対に転びたくない」「横風に怯えずに橋の上を走りたい」というライダーにとって、LMW機構がもたらす唯一無二の安心感を提供してくれる素晴らしいモビリティです。

トリシティ155のトレードオフ

しかし、その圧倒的な安定感と引き換えに、「250cc並みの172kgという重さ」「自立しないことによる立ちごけのリスク」「タイヤ3本・フォーク4本分の維持費」という、決して軽くはない物理的・経済的なコストを支払う必要があります。

購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔する方の多くは、このトレードオフの構造を見落とし、3輪という見た目の安心感だけで安易に選んでしまっているケースがほとんどです。

大切なのは、ご自身の体力や普段停める駐輪場の環境、そして「高速道路を使うのか、下道メインなのか」という明確な用途と、トリシティのピーキーな特性を冷静に照らし合わせることです。

このシビアな現実を理解した上で、それでも「どんな路面状況でも安心して走り続けたい」と願うのであれば、トリシティ155はあなたにとって最高の相棒になってくれるはずです。

ぜひ、カタログスペックだけでは見えない「生々しい現実」を万が一の備えとして心に留め、後悔のないバイク選びの参考にしてください。

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